先生、暗譜できてます!「今できない」は「未来への伸びしろ」ヴァイオリンレッスンを通して私たちが起こした小さな奇跡

先生、暗譜できてます!「今できない」は「未来への伸びしろ」ヴァイオリンレッスンを通して私たちが起こした小さな奇跡 こちらの記事では、私の中学生のヴァイオリン生徒が、発表会でハイドンの協奏曲を暗譜演奏するまでの成長ストーリー。「今できない」は「未来の伸びしろ」だと信じた私の指導の記録です。


はじめに

私は、現在東京を拠点に対面・オンラインの両方でヴァイオリンを教えています。先日、オンラインで指導しているアメリカの中学2年生の生徒さんが、ある小さな奇跡を起こしてくれました!

彼は、今年の9月から(アメリカの)高校生です。彼の住む地域では音楽もとても盛んなので、オーケストラのある学校がほとんどです。彼は、学校のオーケストラの seating audition(席順オーディション)に向けて、数週間、真剣に取り組みました。そのオーディション動画を作り終えた約1週間後には、発表会で ハイドンのヴァイオリン協奏曲ト長調 (Haydn Concerto in G Major) を演奏するという大きなチャレンジも控えていました。

私は、オーディションのすぐ後でしたので、発表会の演奏では無理をせず、楽譜を見て弾くことを勧めていました。しかし、彼は発表会の3日前のレッスンで、目を輝かせながらこう言ったのです——

「先生、暗譜できてます!」


暗譜のチャレンジと中学生ヴァイオリン生徒の決意

彼が「先生、暗譜できてます!」と言ったのは、発表会のちょうど3日前のレッスンでした。その言葉を聞いたとき、私は内心とても驚きました!

彼にとっては、ハイドンの協奏曲ト長調は、暗譜をするボリューム(約4ページ)は、少し多めだったので、きちんと意識して、集中して、よい練習することが必要だったからです。

学校の seating audition の準備をしながらも、彼は発表会のための暗譜のことも忘れずに練習に取り組んでいてくれたのです。

彼の「やりたい」「暗譜で弾く!」という気持ちが、彼の背を押したのです。

そして発表会3日前のレッスン——彼は最初から最後まで、私の目の前で、見事に暗譜で演奏してくれました!


小3の転機 — ヴィオラ転向を勧められたあの時

彼と出会ったのは、彼が小学3年生のとき。最初の頃はヴァイオリンを構える姿勢もぎこちなく、ヴァイオリンを弾く ということそのものが、少し難しそう という印象がありました。左手の筋肉も少し固めで、指が少し開きにくいという体質もありそうでした。

レッスン開始後数ヶ月で、ご両親より、彼は、ヴァイオリンよりヴィオラの方が向いているのではないか と相談されたことがあります。前出のとおり、アメリカの学校でオーケストラのクラスがありますし、その上、地域で年に1度行われる Honors Orchestra のオーディションに合格して、できればそのオーケストラでも演奏してほしい というご両親の気持ちもあったでしょう。

その時、ご両親のすすめで、彼はヴィオラのレッスンも1度受けました。けれども、彼は「ヴィオラじゃなくて、カヨコ先生とヴァイオリンをやりたい」と言ってくれました。ですので、私もご両親に、こう伝えました。「向き不向きはもちろんあると思いますが、今の段階で判断するのは少し早いかもしれません。訓練によりよくなることもたくさんありますので、本人の気持ちを尊重し、彼がヴァイオリンを選ぶのであれば 私と一緒にもう少し続けてみませんか?」


その1年後 — Honors Orchestraへの合格

ヴィオラへの転向の話が出た翌年、彼は大きな飛躍を遂げました。アメリカのある地域選抜オーケストラ「Honors Orchestra」のオーディションに合格したのです! 

あの時「無理かもしれない」と思われていた子が、たった1年で見違えるほどの成長を見せました。

ご両親もこころからその結果をよろこんでくださいました。


そして今 — 自ら考え、練習し、暗譜を成し遂げる

ヴィオラ転向を考えた5年後の今、彼は、自分で練習計画を立て、目標を決め、自分の意思で、暗譜することを選び、実践できるようになりました。誰にも強制されることなく、自然と達成してくれました。

(上の写真は実際の彼のレッスンの際の、私のデスクトップスクリーンです。かなり真剣に見て、聴いているので、顔がだいぶコワイですね。(笑) 楽譜には書き込みもいっぱいです。私の指導はとても論理的で、応用が効くのです。)

私はこのプロセスこそが、音楽教育の本質だと信じています。練習が少したいへんでも、続けることで徐々にできるようになる体験、未知の世界に向かって、先生と一緒に歩む時間、そして「できた!」という自信——これらが人生にとって大切な土台になるのです。


「今できない」は「可能性の宝庫」

私はこれまで、たくさんの生徒たちの「今はできないけど、将来できるようになる瞬間」に立ち会ってきました。そして確信しています。「できないことがある」というのは、伸びしろの証です。

たとえ今、音程が不安定でも、リズムがずれていても、指が回らなくても、それらはすべて「これからできるようになる要素」だということ。そして、それを信じて向き合ってくれる大人や先生の存在が、どれほど大きな力になるか。

身体的に少し不利を抱えるケース、10代なのに諦められてしまったケース、それでも、私はよい方向へ導いた経験もあります:大人になってからのヴァイオリン ー 諦めない心が、未来を変える

指導者として、私は「今」だけを見て判断しません。3ヶ月後、半年後、1年後、そして、10年後、20年後にどんな花が咲くかを見据えて、希望を持って関わり続けています。


私のブログを読んでくださる方へ

私のヴァイオリンレッスンでは、生徒一人ひとりの歩みを大切にしながら、今ある「できない」を「できる」に変えていく過程に寄り添っていきます。たとえ今、音がきれいに出なくても、指が思うように動かなくても、焦る必要はありません。時間はかかっても、「続けること」が何よりも大きな力になります。

もしあなたや、あなたのお子さまが「今はまだ上手くできないかもしれない…」と不安に感じていたとしても、どうかそれを「伸びしろの証」として、希望を忘れないでください。私はこれまで、多くの生徒さんたちと共にその道を歩み、花開く瞬間に立ち会ってきました。

「本当に価値あるレッスンとは何か?」と考える方もいらっしゃるかもしれません。ありがたいことに、レッスン料が高いと感じられる方もいる一方で、「それ以上の価値がある」と言ってくださる保護者の方、生徒さんたちの声に、私は何度も励まされてきました。

オンラインでも、対面でも、あなたやご家族の音楽の旅に寄り添えたら幸いです。ご興味がありましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。始まりはいつでも遅くありません。新しい一歩を、一緒に踏み出してみませんか?

お問い合わせはこちらまで:国際感覚を磨く! 英語でも学べる ヴァイオリンレッスン@江東区東陽町

Feedspot

にほんブログ村 クラシックブログ ヴァイオリンへ にほんブログ村 にほんブログ村 英語ブログ 英語学習者へ

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です