ヴァイオリンで「できない」と言う子供が、ひとりで弾けた日!

練習しない原因とオンラインレッスンで見えた成長

”I didn’t practice much, because it was too difficult.” 

(僕には難しすぎるから、あまり練習しなかった)

今日のオンラインのヴァイオリンレッスンで、小学4年生の男の子がそう話してくれました。

子どもが「できない」「難しい」と言うとき、本当に能力が足りないのでしょうか。

実際には、不安や見通しのなさ、失敗への怖さによって、本来持っている力が表に出にくくなっていることがあります。

今回のレッスンでは、普段は「できない」と言っていた子どもが、自分で考え、一曲を最後まで弾き切る姿を見ることができました。

この記事では、そのオンラインヴァイオリンレッスンで起きた変化について書いてみたいと思います。

普段は口数の少ない 小学4年生の男の子

レッスンをしていたのは、小学4年生の男の子です。
彼は普段から発話が少なく、レッスン中も “I don’t know.” という言葉がよく出てきます。

こちらから、

  • 元気でしたか?
  • 最近何かありましたか?
  • 練習はどうでしたか?

と尋ねても、返答は最小限であることがほとんどです。

けれども私は、そうした「今見えている反応」だけで子どもを判断しないようにしたいと思っています。
むしろ、その子がこれから時間をかけてどのように変化していくのかに、強い興味があります。

(お母様によると、ゲームが大好きで、ゲームをしているときには、人柄ががらっとかわり、リーダーにもなれそうな活発な感じがでてくるそうです。)


「難しすぎたから、あまり練習しなかった」

レッスンの最初に、いつものように

“How was your practice?”

と聞くと、彼は少し間をおいて、

“I didn’t practice much, because it was too difficult.”

と言いました。

「難しすぎたから、あまり練習しなかった」と。

これまでも彼は、

“I cannot do it.”

と伝えてくることが何度もありました。

ですので、普段は、

1.私がセクションごとに模範演奏をする

2.そのあと彼が同じ箇所を弾く

という形で進めることが多いです。

こうすると、彼は全く問題なく弾いてくれます。

一緒に確認しながらでないと、「できない」と感じることが多かったのです。


あえて助けず、見守ってみました

先週のレッスンでは、新しい曲 

ヘンデル「凱旋の歌」(篠崎ヴァイオリン教本1巻)

の途中まで一緒に学び、「では、残りは自分でやってみてね」と声をかけ、レッスンを終えました。

そして、今日。彼は 「難しすぎて、あまり練習をしていない」と言っていましたが、私はいつもとは少し違うアプローチをとってみました。

もちろん必要があれば助けるつもりでした。

けれども今回は、まずは「彼がどこまで一人でできるのか」を見てみたかったのです。

そこで、基礎練習のあと、私はできるだけ介入せずに、彼自身に弾いてもらいました。

すると驚いたことに、彼は1曲すべてを弾き通したのです。


教えていないことを、自分で応用していた

さらに興味深かったのは、私がまだ直接教えていない内容への彼の反応でした。

ヘンデル「凱旋の歌」(篠崎ヴァイオリン教本1巻)には ドのシャープ がはじめてでてきます。

これまでの積み重ねのなかで、彼は

・ファのシャープ の弾き方

・シャープとは何か 

は理解していました。

けれども、私はまだ ドのシャープ をどのように弾くのかは直接教えていなかったのです。

つまり、今回は 「以前学んだことを別の場面で応用できるか」が自然に試される場面でもありました。彼は、過去に学んだことを自分で転用し、その箇所も自然に弾いていきました。

これは単なる暗記ではありません。

以前の経験を、自分で別の状況へ応用していたのです。

彼は 過去にピアノを1年ほど習ったこともあったので、その経験も含め、音感が育っていたという背景もあるかもしれません。

私は内心、とても驚いていました。


「先生が見ていると、なんでできるの?」

レッスンのあと、私は彼に、

「一人で全部できたね。素晴らしかったよ」

と伝えました。

ただ、彼はとてもシャイなタイプなので、あまり大げさには言いませんでした。
褒められること自体が負担になる子もいるからです。

そして私は、ふとこう聞いてみました。

「どうして先生が見ているとできるんだろうね?」

すると彼は、

“I don’t know.”

と答えました。


子どもの「できない」は、本当に“できない”のでしょうか

私はこの出来事を通して、改めて考えさせられました。

子どもが「できない」と言うとき、必ずしも能力不足とは限らないのかもしれません。

  • 見通しが立たない
  • 不安が強い
  • 一人で進める感覚がまだない
  • 「失敗したくない」が先に来る

そうした条件によって、本来持っている力が表に出にくくなっていることがあります。

逆に、安心して見守られている感覚があると、子どもはすでに持っている経験を使い、自分で考え始めることがあります。


「自分でできた」という経験は残る

もちろん、これからまた

“I cannot do it.”

に戻る日もあると思います。

けれども、私はそれでいいと思っています。

大切なのは、

「自分でできた」

という経験が、一度でも本人の中に残ることです。

その経験は、次に「難しい」と感じたときの支えになるかもしれません。


オンラインレッスンだからこそ見えること

私は現在、この生徒さんのヴァイオリンレッスンをオンラインで行っています。

オンラインには確かに限界もあります。

しかし同時に、子どもが「自分の空間」で学べることによって見えてくる力もあると感じています。

特に今回のように、

  • 静かな子
  • 慎重な子
  • 状況によって主体性が変わる子

にとっては、自宅という安心できる環境の中で学ぶことが、能力の発現につながる場合もあるのかもしれません。


成長とは、「よい変化」

私は、成長とは「よい変化」のことだと考えています。

それは年齢に関係ありません。

そして今日のレッスンで見えたのは、

「一人ではできない」

と思っていた子が、

自分で考え、自分で弾き、自分で乗り越えた、

その小さくても確かな第一歩でした。

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オンライン・対面 ヴァイオリンレッスンについて

現在、オンライン・対面の両方で ヴァイオリンレッスンを行っています。

子どもから大人まで、「できる/できない」だけではなく、

時間をかけた“よい変化”を大切にしながらレッスンしています。

特に、

  • 練習への苦手意識がある方
  • 「できない」と感じやすい方
  • 自分のペースで学びたい方

とも、丁寧に向き合いながら進めています。

少人数で、一人ひとりの変化を見ながらレッスンを行っているため、お受けできる人数には限りがありますが、ご興味のある方はお気軽にご相談ください。

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