バッハ / グノー 「アベ マリア 」【篠崎バイオリン教本2巻】

篠崎バイオリン教本も2巻に入ると、ファーストポジションだけですが、たくさんの名曲に触れることができますね。今日は、バッハ / グノー アベ マリア の勉強を始めましょう。

アベ マリアとは?

アベ マリア とありますが、私は Ave Maria のスペルに準じて アヴェ・マリア と書かせていただきますね。アヴェ・マリアとはラテン語で「マリアさま、こんにちは」「マリアさま、おめでとう」という意味ですが、この表現からはじまるカトリックの 「マリアの祈り」をさします。

私の夫はとても器が大きく、信仰に対してもとても大きな概念を持っているのですが(この点については私も同様です)、彼はたまたまカトリックの家に生まれましたので、この祈りにとても親しんでいたこともあり、私も英語で覚えて、よく唱えていますので、こちらにマリアの祈りをご紹介しますね。左から、ラテン語、英語、日本語です。

Ave Maria, gratia plena,
Dominus tecum,
benedicta tu in mulieribus,
et benedictus fructus ventris tui Jesus.
Sancta Maria mater Dei,
ora pro nobis peccatoribus,
nunc, et in hora mortis nostrae.
Amen.

Wikipedia より

Hail Mary, full of grace,
the Lord is with thee.
Blessed art thou amongst women,
and blessed is the fruit of thy womb, Jesus.
Holy Mary, Mother of God,
pray for us sinners,
now and at the hour of our death.
Amen.

Wikipedia より


アヴェ、マリア、恵みに満ちた方、
主はあなたとともにおられます。
あなたは女のうちで祝福され、
ご胎内の御子イエスも祝福されています。
神の母聖マリア、
わたしたち罪びとのために、
今も、死を迎える時も、お祈りください。
アーメン。


©日本カトリック司教協議会
https://www.cbcj.catholic.jp/2011/06/14/5759/より
アヴェ・マリア / マリアの祈り

3大アヴェ・マリアのひとつである バッハ / グノー アヴェ・マリア

この作品以外にも、多くの作曲家が アヴェ・マリア という作品を書いていますが、私たちが今回勉強するグノーの作品、そして、シューベルト、カッチーニ のものは、3大アヴェ・マリアとも呼ばれ、人気を博しています。

バッハ / グノー アヴェ・マリア の背景

「先生、作曲家の名前がふたつも並んでいるって、どういうこと?」

そんな質問を受けたことがあります。

(私は生徒たちから質問を受けるのが大好きです!)

この曲はドイツの作曲家 ヨハン・セバスチャン・バッハ の 平均律クラヴィーア曲集 第1巻 第1番 ハ長調 「プレリュード」(1722) に シャルル・グノー が彼のメロディー( 1859) を乗せたというとても珍しいタイプの曲です。

もう少し加えると、バッハの作品の22小節目の後に、クリスティアン・フリードリヒ・ゴットリープ・シュヴェンケが1小節加えたもの(版)のうえに、グノーがメロディーを載せた ということのようです。

もともとは声楽曲で、歌詞が前出の「マリアの祈り」になっています。

背景はどうあれ、バッハの作品に、グノーの美しいメロディーがとても合い、両方のパートがとてもすばらしい相乗効果を生み出していますね。

うたとピアノ、ヴァイオリンとピアノ、チェロとピアノ、フルートとハープなどなど、いまやいろいろな楽器で演奏され、世界中で親しまれている名曲です。

バッハ / グノー アベ マリア 【篠崎バイオリン教本2巻】

篠崎先生は、バッハ / グノー アベ マリア を カイザー2番 とともに紹介してくださっています。カイザー2番で学ぶことは 曲の演奏においてはこのように生かすことができるのですよ、という意味をこめてらっしゃるのでしょう。こちらの バッハ / グノー アヴェ・マリア は ヘ長調で ファースト・ポジションのみで演奏できるヴァイオリン二重奏(とピアノ)に編曲されています。

ファースト・ポジションだけで演奏するため、弦を飛び越えなければならないこともありますね。サード・ポジション以上をもうすでに知っている方々にとっては、逆に難しく感じられるかもしれませんが、この曲の美しさを感じ、楽しみ、また、祈り ということを音で表現するとどんな感じになるのかな?などと考えながら、ぜひ練習してみましょう。

そして、今回がはじめてではなく、少しずつより一層の向上を図りたい方々にぜひ知っていただきたいことがあります。それはこの曲に関しては、ピアノの16分音符をきちんと聴きながら演奏でき、そのうえで自分のパートの音楽表現もできなければならない ということです。室内楽においては(もちろんどんな形態でもそうですが)、聴きながら弾く ということが非常に大切。この曲はもしかしたらあなたにとっての きっかけ となる曲になるかもしれません。

一緒に練習しましょう! 動画のご紹介

以下の動画には、以下の6種類がおさめられていますので、ご自身の目的に合わせて、お使いいただけます。

ファースト・ヴァイオリンを学ぶ生徒さんたちは、1.2.3.5.1のステップで学ばれるといいでしょう。

1.ヴァイオリン2つとピアノ(完成形の例):聞きながらなんとなくの完成系形をイメージしたり、以下の2.3のステップのあとに、ファーストヴァイオリンをガイドのようにして一緒に弾いてみることができます。

2.ヴァイオリン二重奏(メトロノームとともに):拍を感じながら譜読みを正確に行いましょう。

3.セカンドヴァイオリンパート(メトロノームとともに):譜読みができたら、自分のパート(ファーストヴァイオリン)をガイドなしで弾けるようにしましょう。

4.ファーストヴァイオリンパート(メトロノームとともに):セカンドヴァイオリンパートを弾いてみたい方へ。

5.ピアノとセカンド・ヴァイオリン:ピアノやセカンドヴァイオリンパートを聴きながら、ファーストヴァイオリンを弾くことができるでしょうか?

6.ピアノとファースト・ヴァイオリン:セカンドヴァイオリンを弾いてみたい方へ。

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おもちゃのシンフォニー : メヌエットとフィナーレ [篠崎バイオリン教本2巻]

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